Vol
11
観光の仕事は喜びに!
観光の仕事は喜びに!
沖縄観光の明るい未来!
観光従事者が語る沖縄観光の未来
観光立県・沖縄。沖縄観光を支える大きな力は、日々観光客をもてなす観光産業従事者や、温かく迎え入れる沖縄の人々です。今現在、観光産業の一線で活躍しているみなさんは、どのようなやりがいを感じているのでしょうか?沖縄を訪れる人々の客足も戻りつつあり、沖縄観光が再び盛り上がりを見せる中、“働く場”としての観光産業に注目が集まっています!
世界から選ばれる持続可能な観光地
沖縄県は目指すべき将来像として「世界から選ばれる持続可能な観光地」を掲げています。沖縄でしか味わうことのできない自然・歴史・文化の体験を提供することで国内外の旅行者から「選ばれる」と共に、沖縄の豊かな自然環境を大切にし、観光従事者が質の高い安定した暮らしを継続でき、自然・歴史・文化を次世代に引き継ぐ担い手が育成される環境が整うことで「持続可能な」観光地を目指しています。
一時はコロナ禍の影響で落ち込んでしまった沖縄観光ですが、現在では、国内観光客数はコロナ前の水準となり、また、那覇空港国際線の運航が再開されるなど観光客の皆さまが楽しんでいる姿を目にすることも多くなりました。
沖縄県は、過去最高を記録した2018年度(平成30年度)の観光収入約7300億円を、2031年度末(令和13年度)末までに1
.2兆円まで引き上げる目標を立てています。沖縄の観光産業は働く上でも魅力ある業種だといえます。- ファシリテーター : 伊波貢さん
- ブルームーンパートナーズ株式会社代表取締役
さまざまな観光産業のお仕事
Q.なぜ今の業界への就職を選んだのですか?
- 國吉さん
- ホテルの企画・設計・運営を一貫して手掛けている会社で働いています。その街の特徴に合わせてホテルを作っていくという事業コンセプトに魅力を感じました。この街には何が必要なんだろうという視点で、ホテルから人の流れを生んでいくことがすごく面白いです。
- 榮口さん
- 人と関わることが好きなので、営業職を選びました。正直なところ、観光業に就きたいという思いがもともとあったわけではなかったのですが、家族との時間をしっかり持ちたいと考え、今の仕事に就きました。
- 吉田さん
- 動物全般が好きなのですが、特にヘビが大好きなのでハブ博物公園のスタッフになりました。本土にヘビは8種類しか生息していないのですが、沖縄には離島も含めると20種類以上が生息していて、ヘビの楽園なんですよ。ヘビに限らず、生き物のラインナップが県外とまるで違います。それで沖縄で動物に関わる仕事がしたいとずっと思っていました。一緒に働いている人もベビ好きが多くて、ずっと一緒にヘビの話をしています。毎日が楽しいです。
- 与那覇さん
- エイサーなどの伝統芸能を、就職を機に辞めてしまう人が多く、もったいないと感じていました。伝統芸能をしっかりと職業にできる環境を作りたいと思い、沖縄でエンターテインメントを披露するNEO Ryukyuを立ち上げました。もともとオーストラリアでのエコツアーガイドや、国際通りでのベロタクシー運転手でガイドをしていた経験があって、観光業には携わっていたのですが『知識だけではなく自分の体験から伝えたい』との思いから、沖縄の文化や芸能に関わり始めました。ガイドでも芸能でも、共通するのは『沖縄の魅力を知ってほしい』という想いです。
やる気を実感できる職場
Q.仕事に対するやりがいや、現在取り組んでいることを教えてください。
- 榮口さん
- 観光土産品などを扱う営業職なので、観光のお客様と直接触れ合う機会は少ないのですが、各取引先からの注文がどんどん増えてきていて、観光客が戻ってきていることを実感できるので、このことが仕事へのやる気にもつながっています。地域や取引先によっては人気商品に違いがあるので、その理由の分析も含めて今後の課題にして取り組んでいきたいです。
- 吉田さん
- 県外からの観光客のみなさんは、『沖縄のヘビ=ハブ』と思っている人も多いので、ハブ以外にもアカマタなどたくさんのヘビを紹介できることがやりがいです。ヘビのことを話していると興味を持ってくれる人が結構多くて、うれしく感じています。沖縄の自然や文化を守っていくために、観光客のみなさんにもその魅力や大切さを伝えていけたらと思っています。
- 國吉さん
- お客様からの声がダイレクトに聞けることが喜びです。感謝の言葉やお手紙を頂くと『この瞬間のために仕事をしているんだ』と思えます。弊ホテルのスタッフからは、新しい取り組みのアイデアがたくさん出てきています。それらが実現できるように、個人の特徴を伸ばした組織運営をしていきたいです。(コロナ禍で落ち込んだ分)今はお客様がとても戻ってきています。海外の方も含めて、多くの方にホテルの魅力をお披露目できるようになってきたので、セールス面でも数字を上げる取り組みをしていきたいです。沖縄観光のブランド価値向上に、ホテルとして担えることに仕事の面白さを感じます。
- 与那覇さん
- 自分たちのショーを『また見たい』と言ってくれた方が、本当にまた沖縄に来てくれた時は本当にうれしいです。それだけではなく『私たちが沖縄観光のリピーターを作って、経済効果を生むことができた』と実感できることは、快感です。今後は海外でも活動して、逆輸入型でも沖縄観光を盛り上げたいです。また、沖縄の芸能を観る方の間口を広げるということも意識しています。沖縄の芸能を初めて観る人にとっても楽しめるように、エンターテインメント性の高い演出を取り入れて、興味をもってもらうきっかけ作りに取り組んでいるところです。
期待を持てる沖縄観光
Q.今後の沖縄観光に期待することを教えてください。
- 榮口さん
- 沖縄の良さを世界へと積極的に発信できる未来を期待しています。沖縄の観光産業に携わることで、自身の誇りややりがいを感じ続けられたらと思っています。
- 吉田さん
- 私は県外出身ですが、その視点から見ても沖縄観光は“強い”と感じられる観光資源が多いです。独自の自然や文化を壊さずに観光に生かしていければ、もっと沖縄観光は発展すると思います。私も今の仕事を通して、若い世代に沖縄の生き物の素晴らしさをもっと知ってもらいたいです。沖縄の素晴らしいところは、もしかしたら沖縄の人にとって当たり前になっている部分もあるかもしれませんが、観光客だからこそ気付けるような沖縄の素晴らしさもたくさんあるので、そのような外からの目線からヒントを得て、沖縄の自然や文化をみんなで大切にしていけたらとと考えています。
- 國吉さん
- コロナ禍を乗り越えて、ハワイに並ぶ観光地になるような回復ができたらすごくうれしいです。沖縄らしい一体感のあるまちづくりができればさらに沖縄観光は面白くなると思います。沖縄の観光は自然に生かされている面が多いので、SDGsや環境面でも沖縄からプラスの発信ができればすごく良いと思います。出産や育児があっても安心して働けて、しっかりとキャリアを重ねていける環境づくりをしていきますので、ぜひ学生のみなさんにも就職先として考えてもらえたらと思います。
- 与那覇さん
- 沖縄観光の未来には期待しかありません。インバウンドも戻り、やっと魅力を発信できる時が来ました。他業種とも連携して新たなツアーや芸能ショーを作っていくことで、新たな沖縄観光を見せていけると考えています。企業などの研修旅行やチームビルディングとしての沖縄旅行も増えてきているので、行政や他業種と連携して、芸能体験を通した研修メニューが実施できれば、さらに沖縄観光の未来は明るくなると思います。
伊波さん :
ここ数年コロナ禍で苦しんできた分、エネルギーを蓄えて放つ準備ができているかと思います。これからさらにグローバル時代への対応が求められます。しっかりと観光産業の担い手を育てられる沖縄を作っていかないといけません。その先に沖縄観光の明るい未来が待っています。
ここ数年コロナ禍で苦しんできた分、エネルギーを蓄えて放つ準備ができているかと思います。これからさらにグローバル時代への対応が求められます。しっかりと観光産業の担い手を育てられる沖縄を作っていかないといけません。その先に沖縄観光の明るい未来が待っています。